この1カ月で観た映画 ・Bringing up Baby (赤ちゃん教育) ・Roman Holiday (ローマの休日) ・Breakfast at Tiffany (ティファニーで朝食を) ・Charade (シャレード) ・Paris When It Sizzles (パリで一緒に) ・Wait until Dark (暗くなるまで待って) ・Rear Window (裏窓) ・The Barkleys of Broadway ・Sunflower (ひまわり) ・To have and Have not (脱出) ・Daddy Long Legs (あしながおじさん) ・The Spirit of Beehive (ミツバチのささやき) ・Cria Cuervos (カラスの飼育) ・The Great Gatsby (華麗なるギャッツビー) ・La Dolce Vita (甘い生活) ・Royal Wedding (恋愛準決勝戦) ・Mogambo (モガンボ) ・How Green was My Valley (わが谷は緑なき) ・Play Time (プレイタイム) ・Harvey ・It's a wonderful Life (素晴らしき哉、人生!)
映画館で観たもの ・Notorious (汚名) ・Bonnie and Clyde (俺たちに明日はない) ・Death by Hanging (絞首刑)
It's a wonderful life『素晴らしき哉、人生!』 Some like it hot『お熱いのがお好き』 Arsenic and old lace『毒薬と老婆』 Butch cassidy and the Sundance kid『明日に向かって撃て!』 Roman Holiday『ローマの休日』 The Great Dictator『独裁者』 Cover Girl『カヴァー・ガール』 The Public Enemy『民衆の敵』 Don't look now『赤い影』 Harvey『ハーヴェイ』 Spellbound『白い恐怖』 The lives of others『善き人のためのソナタ』
何週間か前にTubeに乗っていたら、隣に座っていた中年のジェントルマンが私のカバンから落っこちそうになってた2本のDVDを見て、「Elia Kazanの映画なんて見てるの?それ(Tree grows in brooklyn)私のフェイバリットフィルムの一本だよ」と話しかけてきたのね。 どうやらこのStephenという人、昔BBCでフィルムの編集の仕事をしてたみたいで少し映画の話をして、第三の男を観たらと勧められてメアドを教えてもらって別れたんだけど、その後映画の感想をメールしたら「じゃあ次はDon't Look Nowを観てからまた感想を送って」と言われた。 しばらくしてDon't Look Nowを観た後(本当に素晴らしく奇麗なカメラワークと色彩の映画でした)に感想をまたメールした時に、丁度お互いWest Endに午後いる、ってことでお茶の約束をしたわけですよ。 待ち合わせをしてWest Endを一緒にブラブラ歩きながらよく行くカフェに連れてってもらって色んな話をしていると、ほぼ初対面なのになんだか古い付き合いの友達のような感覚に陥って必要以上に自分の事を沢山喋ってしまい帰ってからしばし反省。しかし人の中身をここまで明快に理解してくれるこういう大人の人に会うと、歳を取るってほんとうに素敵だなって思うのよ。 そして彼が翌日私に、とお勧めしてくれた近代ドイツ映画、The lives of othersはいとも容易く私のフェイバリットフィルムになってしまうのでした。
その映画の大きなテーマでもあり、英題の参考にもなったであろうペリクレスの “What you leave behind is not what is engraved in stone monuments, but what is woven into the lives of others.” 汝がこの世に残すもの。それは石の碑に刻んだものではない。他人の人生に織り込んだものだー という名言は、私が大切な人たちの前でうっかりこぼす人生の指標というか哲学のようなものそのもの。私はいつも「人生の目標にすべきことは、どれだけ多くの栄光を残すかではなく、どれだけ多くの人の心に影響をあたえられるかだ」というような言い方をするんだけどさ。凄くシンプルな哲学。これをポロっと私が口にしたのをきっと覚えててくれた上でのチョイスなんだろうな、と思うとなんだかとても大切にすべき友人を手に入れたような誇らしい気になるのでした。