2009年4月20日

Truelly the best film EVER.

さっきまでDinerでRowenaとタカちゃんと、”中身のない”人たちほど誰とでも会話が弾む当たり障りの無い社交性を持ってる真理だとか、いったい世界中にどれだけ今の私たちの会話に出てくるもの全てをわかってくれる人間がいて、一生のうちにその中の何人と友達になれるんだろうとかって会話をボトムレスコーヒーと共に繰り返していたせいもあってタカちゃんちに戻った後おもむろにベッドの中でまたGhost Worldを見始めたんだけど… メチャクチャやばいエンディングなのに全く気づいてなかった!!!

その前にえっと、こないだのTwee Grrrrls zine用のコラム上でもちらっと紹介したEight Ballコミックの方の原作Ghost World。



これを最近手に入れて途中抜けはあるもののほぼ全部読みとおしたのね。そこでビックリしたのはダニエル・クロウの原作の中に、スティーブ・ブシェミ演じるシーモアが存在していないこと。アメリカではこの原作自体カルト的にヒットしたものなのでみんな知ってた事実なんだろうけど、この役って映画の中では主役級の重要な役割で、この人の存在なしにGhost Worldが私のフェイバリット・フィルムに挙がることもなかったくらいなので私には相当重大な発見だったわけ。

ちなみに数あるヤバいシーンの中でも凄くリアリティがあって大好きなシーンはこれ。


それで、映画のラストの曖昧さってEnidに感情移入して見ていた私は今までずっと(ほんのさっきまでずっと!)、この子は”わかってくれる”人たちを探しに旅立つのだろうなって解釈をしていて、まあEnid側から見たエンディングはそういった意味で解釈して間違いないと思うんだけど…

エンドロールの最後の最後で急に現れたシーモアとヌンチャク男とのアウトテイク風シーン。
劇中ではもちろんシーモア、弱すぎて負けるんだけどこっちのシーンでは一悶着の末に勝ってるのね。かわいい妄想だなって笑って観たあとに固まった。

もしかしてこのゴーストワールドって全部シーモアの頭の中で起きていたことだったんじゃない?って思って。

だとしたらシーモアは絶対ダニエル・クロウの投影だよねっていう私&タカちゃん説はまず間違いない(彼のカセットや78s、コミックコレクションもハンパない)。そしていまいち理解不可能だった最後のシーモアのカウンセリングシーン。一旦どん底まで落ちてまたEnidに再会したときの理解ある表情→ちゃんと日記のページを最後まで見てヒーローなんだからって言われた時のあの優しい顔を見て彼の気持ちは解決したものだと思っていただけに不自然だった。それにあのカウンセリングシーンだけ時制も中途半端に現れるし最後の最後まで出てこなかった彼の母親のヤバさと、カウンセラーのドアを閉めた後の表情も気になってた。

これが映画のリアルエンディングなら、なんでわざわざ映画版に主役級のシーモアという人物を挿入してきたのかっていう謎も解けるし、彼が物語の作者の投影ならばそれこそ全ての辻褄が合っちゃう(ゴーストワールドっていうタイトルでさえね)。

しかしダニエル!それじゃちょっと寂し過ぎない?
あなたたちのようなマイノリティの中でも特に変人な部類の人間に惹かれるEnidのような子たちって多分彼ら自身が思ってる以上にいると思うんだよね。なんかそう思うとEnid自殺説なんかよりももっとずっと悲しいエンディングの映画なんだなーと思って背筋が凍ると同時に、今まで唯一気に入らなかった「観客に解釈を委ねる系」のオシャレ・マイノリティ映画にありがちなラスト部分が実は全くそうでなくて、「本当に解る人にしか解らない」つまりあの何とも言えないSpecificなダニエル的オタク解釈を相当の自己レベルで理解できる人にしか気付くことのできないよう繊細に仕組まれた真実のエンディングの謎が解けたおかげで、この映画が改めて私の人生で観た映画至上一位にのし上がった朝の五時。

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追記すると、ネット上にいくつもある様々なラストの解釈コメントの中で私と同じ解釈をしてた人は、私が見つけられる限りたったの二人でした。一つはUSのGhost Worldに関する長〜い掲示板の中のコメントのひとつで、もう一つは日本の映画評論掲示板だった。二人とも友達になりたいですマジで。

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