2009年5月25日

DEERHUNTER RULES

さてブライトンから帰ってきた翌週の月曜日、カンヌ映画祭でシークレットライブをやるBoysに取り残された韓国人Johnから「今ロンドンにいます。お願いだから一緒に遊んで…」という寂しいメールが入っていたので、じゃあ一緒にDeerhunterのライブに行こうと約束をする。
約束したはいいけどチケットのない私たち、結局またBooking Agentのレベッカに泣きを入れて半ば無理矢理リストにねじ込んでもらう事に成功。時間ギリギリにScalaに着くと外でBen RaynerとドラムのMosesがタバコを吸っていたのでちょろっと話をして、それからJohnを迎えに駅まで行って、会場で呑みながら雑談してたらすぐDeerhunterがはじまった。



最初は2階で見ていた私たちもあまりのかっこよさにすぐ下のフロアに移動する。今回のライブはソールドアウトの上にリストで相当の人数を詰め込んでた為に軽く収容人数をオーバーしちゃってて、いつもなら空いてるメインフロアの後方もこの日はギッチリ人で埋まってしまっていてなかなか前の方に行きづらい。
だけどセットが進んでいくにつれ段々道が開けてきたので、Bradfordが弦を張り替えている最中にずんずんと前の方に行き最後5曲分くらいとてもいい場所で見る事ができた。それにBlack Lipsのショウみたいにモッシュが起きたりする事も無いので快適だったし。



とにかく来月彼らは日本ツアーをするので、なんとしてでもここを読んでる人たちには見てきてほしいと思う。私とタカちゃんはアンコールで感激のあまり涙目になりながら、もし自分たちに十分な時間とお金があったらもう一本見ときたかったなって心底思ったんだもん。こんな風に思わせてくれるバンドって今ほんとに少ないから余計に大切に思うんだよね。

そして美しすぎるアンコールの後(この時点で既に終了予定時間を大幅に過ぎているにもかかわらず)おもむろにBradfordが「今日は僕らのサウンドマンの誕生日なんだよね」といってステージ上で漫才のようなトークを始め、会場全員でハッピーバースデーを歌った後「ねえ、John Kangどこにいるわけ?おーい」と呼びかける。



ここにいるよーと私とタカちゃんでJohnをステージに押しあげると「Johnは明日誕生日なんでしょ?ていうかみんなに紹介します、昔Die Slaughterhausがあった頃からのアトランタの古い友人で今Black Lipsのギターテクで一緒にツアーをしているJohnです。」というと会場中がおおおーとなる笑。軽くJared逮捕の話題に触れた後、世にも気味の悪いマイクエフェクトのかかったハッピーバースデーを一人で歌い上げたBradford、そのままJohnにおいでよ、といって楽屋に下がったので私とタカちゃんもJohnに引っ張られて楽屋に侵入、みんなと少し喋ってからまだまだ呑み足りない、と3人で家で遊ぶことに。

こっからが長い。ビールを買って家に着いたのが12時半くらい、それから朝の5時までノンストップでレコード聴いたりyoutube見たり、Black Lipsの写真を見てバカにしたり、すっごい色んなことを一杯話して、ああ本当にこの人たちって私たちと同じことに重要性を見いだしたり、大切に思ったり、感動したり、面白いって笑ったりしてるんだなぁってめちゃくちゃ嬉しかったのね。そしたらJohnも「俺たちみたいなのって、ただ同じようなものが好きってだけじゃなくてそれよりもきっと同じ精神論(つまりGood bad but not evil)をシェアしてるからこそ、ここまで打ち解けられるんだと思うんだよね」って言ってて、ああ本当にその通りだなあって思ったし、彼らからそういう風にちゃんと見てもらえて本当に幸せだって思った。



私たちのやっている事なんて、どんなに口で説明してもなかなかこういう風に理解してくれる人って見つからないけど、スピリットが同じ人にはちゃんと伝わるようにできてるんだから何事も無駄じゃないんだなって思う。

その後死んだように眠り、昼過ぎに二日酔いの頭でセンターにある韓国料理屋にJohnの誕生日ランチをしに行った。



そして一旦また夜Black Lipsがカンヌから帰ってきたら遊ぼう、と別れる。ーつづく

0 件のコメント:

コメントを投稿