2009年9月26日

BLブログからJackの回想記

これは元メンバーのJackが、まだメンバーになる前の記憶を書いたもの。


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よぉみんな、俺は元Black LipsチャンピオンのJackだ。Jaredがこないだ電話してきて、俺がバンドの正式なメンバーだった頃のとてつもなく下らない思い出を書いてくれないかっていうから思い出してみる。

俺が最初に奴らとツアーすることになった馴初めから始めるぜ。
その頃、おれはNYシティに住んでたんだ。そう、究極のオリジナルBlack Lipsチャンピオンであり言わずもがな、俺の仲間でもあったBen Eberbaughが悲劇的な衝突事故で急逝してしまった頃だ。
仲間の死に敬意を払うため、喪報を聞くなりすぐさまアトランタに帰ったんだが、そこで奴らが俺にツアーへ一緒に来ないかって訊くんだ。
答えは簡単だった。俺はNYCの仕事を辞め、Black Lipsと一緒に旅立った。
いくらなんたって無責任な決断だってことは最初からわかっていた。

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Benの葬儀はツアーが始まる日のたった3日前だった。
アトランタにいるBad Kidは全員顔を見せにやってきた。
まるで郊外のシーンにありがちな、パンクキッズが同級生の女の子の葬式をメチャクチャにするような、そんなかんじだった。
ただ、ここにはそれより3倍位も多くキッズがいたけど大人達には何も言われなかった。実際かなりグっとくるものがあった。

Black Lipsとして丁度Bomp!レーベルとサインしたばかりだっただけに、
Benが逝ってしまったのは本当に悔やまりきれなかった。
俺たち(Black Lipsを含めDunwoodyでつるんでたティーンエイジキッズ)はいつもBomp!のリリースやそれ周辺のモノに傾倒してたんだ。
だから丁度全てが上手く動き始めた頃にBenを失ってしまったという事実に、俺らの心は余計痛んだ。

悲しみの渦中だったが、Black LipsはBenだったらあれだけ大事にしていたバンドをどうするだろうと考えた結果、無理を承知で3ピースバンドとしてツアーをやり遂げる決心をする。
葬儀の3日後バンドはCarbonasと共にシカゴへ向かう予定だった。その前日の夜、俺らはDie Slaughterhausで大きなパーティーを開いた。
地元のダチはみんな俺らに会いに来た。いくつかビールのケースを空けたあと俺たちはツアーに出た。

その夜のドライブは、俺の数ある若い人生の経験の中でもかなり悲惨な部類に入るくらい酷かった。
Atlantaを出発したのが大体夜の11時頃で、運転を任されているJoe Bradley以外は全員完全に酔いつぶれていた。
シカゴを目指して運転したが、途中やっとNashvilleに到達する頃フリーウェイはカチカチに凍り付いていた。
俺らのVanは凍っている路上をするすると滑るだけだった。

俺たちは勇気を出すために、Hank Williamsを下品なキャンプファイヤー風な替え歌で歌おうという遊びを考案し、それに勤しんだ。
JaredはVanの窓からオシッコをして、それがすぐ凍ってVanの車体に模様となって張り付くのを眺めていた。

ノースケンタッキー州に入り、ロンドンという名の町でしばらく車を止めて休憩を取った。夜中2時頃だったと思う。
俺たちみんな(Black Lips、Carbonas、Bobby Eubangi、Kevin Lee、Allen Suh、Alix Brownと俺Jack)外に出て凍った駐車場に腰を下ろした。

その間、仲間うちの誰かがArby's(遅くまで空いてるファストフード店)の店員に俺らがバンドをやってることを話したらしいんだが、そしたら店員たちは相当驚いて(多分俺たちが有名だと勘違いしたんだろう)2枚の7インチと交換にArby'sのサンドイッチを20個俺らにくれたんだ。
このディールに俺たちは相当酔いしれ、全員暴食したあとまたVanに乗り込み目的地へドライブを始めた。

吹雪はまだまだ酷くVanの窓に吹き付け、積もっていった。
誰がCarbonasのVanを運転してたかは知らねーけど俺らのJoeはまさしくプロの仕事ぶりだった。

Hankの替え歌は続いていたが、段々それに替える下品な言葉に詰まってきた頃俺たちはJaredが甘いものを食べ過ぎたダウン症の子供みたいになっていることに気付いた。
いや、いつもよりも明確にな。。
ヤツはVanの中をよろめきながら怒鳴ったり悲鳴をあげたりして、それから歌を歌おうとしていたが、聞こえるのはヤツの舌が上あごにホチキスで止められたかのような呻き声だけだった。

Jaredの行儀の悪さは、そうでなくても同じ道の先をじっと見ながら運転しなくてはならないJoe Bradleyをイラつかせ、しまいに2人ケンカを始めた。

Joe「なにがどうしたって言うんだよJared!」

Jared「おめえわだだまたんふ×△■○?!!」

こんなやりとりが延々と続いた。
しばらく経って、俺ら全員Jaredに何があったのか考えるのもウザくなってきた頃、満場一致でジョイントを吸うことが決定。

ジョイントを吸ってしばらくすると、Jaredは少し普通に戻り、ヤツの頭をこれだけおかしくした要因を喋り出した。
どうやら、さっきの休憩でArby'sの若者たちがJaredを裏に呼び、
「ラインやるか?」と誘ってきたらしい。
Jaredはコモンセンスとして、もちろんこの若者達がCokeをオファーしてるのだと思ったそうだ。ヤツは自分が相当なミスをしていたことに気付いていなかった。
そう、あそこは小さなケンタッキーのトラック駐車場である。そしてあのド田舎に住むブサイクな若者達が吸っていたのはそう、シャブだった。

シカゴへ向かうこの先の道のりずっと、Jaredはチック症状を起こしたり、貧乏揺すりを高速でしたりしていた。
俺らは奇跡的にシカゴに到着し、新しかったり古かったりする現地の友人たちに歓迎された。Black LipsとCarbonasはいくつかのショウを現地のバンドとこなし、目的を達成した。

ツアーはその後も続いた。沢山のショウでプレイし、もっと沢山のドラッグを浪費した。次の何週間かで俺ら全員残らず酷い目にもあった。ジャングルでぬかるみにハマったり、火事にあったトラックの運転手を助けようと消化器をそいつに向けたら化学反応でへんな白いモンがむくむくそいつのまわりに出来ちゃったりと散々だった。

NYCではWowsvilleのアルバートがBlack Lipsのショウを初めて見てこういった。
「これが未来だ」


ツアーが終わり、アトランタに帰った頃俺は正式にBlack Lipsのメンバーに迎えられた。

冒険はつづく…

Jack

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