2010年2月3日

Secret Society

凄い発見をした。

こないだ超久々に休みを取って昼頃起き、なにも予定を入れてなかったので午後からフラリと前から気になっていた新宿のジャズバーへ。
するとそこで早稲田の現役ジャズクラブバンドと、プロのジャズバンドが交互に演奏していた。お客さんはほぼみんなお年寄りだ。

ここの経営者は永谷さんといって、どうやら日本のトラッドジャズ界のことは彼に聞けば何でもわかるらしい(と、隣に座ってたおじいちゃんがおしえてくれた)。
話をしてみるととても穏やかな方で、なんでまた一人でここに来たんですか?と逆に聞かれた。わけを話すと「それはまた珍しい。今夜じつは僕のバンドが西荻でやりますが一緒に来ますか?」と言われて教えてもらったバーが自分も丁度このあと行って見たいと思ってた所だったので一緒に連れて行ってもらうことに。

その前にライブの片付けを見守って、出演していたプロのミュージシャンの方達(50代くらい)と一緒にご飯を食べることに。みんな本当に面白い人たちで、ディズニーバンド時代の話やニューオリンズに行ったときの話なんかをしてくれてとても楽しい時間を過ごす。
永谷さんは毎年トラッドジャズのフェスティバルを東京で主催していたり、楽器を持った人形オモチャのコレクターをしていたりと本当に興味深い。着ているお洋服も可愛くて、コーデュロイシャツにニットベスト、別珍のジャケットの襟にはビーズで作られたクラリネットを吹くこどものピンがついている。「これかわいいね」というと「そうでしょ?伊勢丹で5つセットになってたから買ったの。ドラムやラッパのもあって、それぞれ違うジャケットに付けっぱなしにしてるんです。」といっていた。素敵過ぎ。

そして2日後、先日のお礼で電話をかけたら
「あなたマンスリー住まいで毎日寂しいでしょ。今日大勢で食べ歩きの会があるからいらっしゃい」といわれ、待ち合わせ先に行ってみると永谷さんがそこからタクシーを拾ってくれてそのまま銀座へ。

車の中で「食べ歩きの会とは一体?」と聞いてみると、どうやらこの人は昔割烹料理屋の板前だったらしく、当時彼の店に来ていた常連さん達と30年前に結成していまなお月一のペースで続いているのだという。その名も永谷会といって毎月旬のものを中心に、都内でひとり1万円前後を基準に美味しいお店を食べ歩くんだとか。
ヤバすぎる。なんて楽しいゲームなんだろうこれ。
銀座に到着して連れてこられた場所は今が旬のタラバガニと鯛飯を出す割烹料理屋で、名前を言ったら奥の大きな個室が用意されていた。

そこにいたのは、Pre-war Blues好きの院長先生、トランペットを吹く銀座の画廊経営者などなど面白いひとたちばかり。
総勢8人で席に着き、カニづくしのコースが始まる。

十以上のコースをみんなでおいしいねって食べながら、色んなお話をして、最後にお抹茶が出てきて飲み方を画廊屋の奥様に教えていただいちゃったりして、もうなんて素敵なんでしょう。

帰り際、初夏のニューオリンズのフレンチコートフェスティバルにみんな行くからまたそこで縁があったら会いましょうねと言って別れた。

永谷さんとはそれ以来仲良くさせて頂いて、会うと色んな興味深い話が聞けるのだけど私がとにかく嬉しかったのは日本にもこういう場だとか、シーンがあったということ。
好きなことをやり続けながら美味しいもの食べて、行きたい所に旅行して、遊んで、みんなお年寄りになっても本当に楽しそうに忙しく生きてる。

こっち来てから毎日忙殺されてるけど、その合間の小さな時間にこんな人生のお手本にしたい人たちばかりに出会えてとっても幸せです。

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